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本年度に税理士法改正案が提出され、来年4月から施行される事となりました。
税理士法人の認可、出頭陳述権等大きな改正となりましたが、その中でも税理士試験制度の改正がどうなるかを注目していました。
一般の方はあまりご存知ないかもしれませんが、同じ税理士でも色々な種類があります。
1.税務署OB
この人たちは税理士全体でも50%以上の人数がいます。
2.試験合格組
シングルマスターも試験合格として発表される事もあるので、正確な人数はわかりませんがおそらく全体の20%くらいだと思います。
3.公認会計士・弁護士
無試験で税理士になれるため、この人たちが10%くらいいると思います。
4.マスター税理士
最近特に急増しているのがマスター税理士で、残りがこの人たちです。
税理士試験は会計科目2科目(簿記・財務諸表論)と税法科目3科目(そのうち法人税法と所得税法のいずれかひとつは合格する必要があります。)の合計5科目に合格する必要があります。
科目合格制度をとっていますので、何年かかけて5科目合格し実務経験が2年以上あれば、はれて税理士となることが出来ます。
税理士試験は各科目の合格率が10%前後で、全体の合格率は2〜3%という狭き門です。
そこで最近、特に急増しているのが、マスター税理士です。
この制度は、大学院にて経済学等を学べば会計科目が、法学・財政学等を学べば税法科目が免除となる制度です。
これを業界では片方だけを免除して税理士になると「シングルマスター」、両方を免除して税理士になった人間を「ダブルマスター」と特別な意味をこめて呼びます。 「シングルマスター」は税法科目免除者の割合のほうが高いと思います。
この制度の恐ろしいところは、税法を全然勉強した事のない人間が税理士になるという事です。(マスター税理士は、2世や人数の多い会計事務所によくいます。自分の担当が税理士なら一度どのようにして税理士になったか確認される事をお勧めします。)
最近あまりの急増に批判が高まり、税理士法改正の対象となりました。
当初の案は、大学院に行っても会計科目ならいずれかひとつの科目を受験・合格する必要があり、税法科目の場合は法人税か所得税を受験・合格する必要がある案でした。
しかし結果的には、税法科目については何でもいいからひとつの科目を受験して合格すればいいとトーンダウンしてしまいました。
これには、はっきりいってがっかりしました。
私の受験経験からいくと、勉強のボリュームが法人税・所得税が10とすると、相続税法が5、消費税が2、その他の科目(固定資産税・事業税・酒税等)は1.5から2くらいの感覚でした。
私自身も法人税の合格に3年かかり、かなり苦労した記憶があります。
やはり税理士の基本は、これらの税目をどれだけ勉強したかであり、実際法人税・所得税に合格できる人間は、いずれは必ず5科目合格できると思います。 (その意味では公認会計士は、3次試験で簡単な法人税の試験があるだけなので、これらの科目については試験合格組のレベルには達していません。)
従って、今回の改正案で法人税又は所得税が必須となればマスター税理士の質も少しは向上したのではないかと思います。 (それ以前にこの2科目が必須になると、大学院に行く人数自体がかなり減少すると思いますけど)
最近の少子化の影響もあり、大学の方でも経営上の都合で人集めに税理士のマスターコースを開講している大学も多く、今回の改正案はそちらのほうからの圧力で腰砕けになったと思います。
もともとマスターの制度は大学院にいく人間が少なく、いく人間の質も高かった時代のもので、時代遅れとなっていました。 (それにしてもマスターコースで人を集めようなんて情けない大学が多いのも困ったものです。)
最後に若い人で税理士を目指している方へ
安易な方法で税理士になっても、後にはいばらの道が待っています。
現実として、税理士の業界の中でもマスター税理士が活躍している話を、私は聞いた事がありません。 税理士を目指すなら苦労しても税理士試験に合格して税理士になる事を勧めます。
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