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  2001.03.02
 
NHK人間講座(中坊公平先生)を見て
 

先日NHK教育テレビで弁護士の中坊公平先生による「日本の法と正義」という題目でお話がありました。周知の通り、本当にすばらしい方です。

お話は要約すると、

1. 弁護士制度の歴史
2. 中坊先生が弁護士を志された経緯
3. 現在の弁護士像
4. これから求められる弁護士像

という内容であったかと思います。このなかで私が税理士として感じた点をご紹介します。

その1 プロフェッション

弁護士制度はアメリカからの輸入品であり、アメリカでは従来から弁護士は医者、牧師と同じくプロフェッション(特別な仕事)といわれているようです。そこには、これらの仕事が基本的に一般市民の「不幸」に起因しているためで利益を得てするものでないという意味があるそうです。人々の抱えている「争いごと」「病気」「精神的苦痛」がそれぞれ仕事になっているということです。

この観点からすると税理士は少し違うようです。納税は本来「義務」であって「不幸」なものではありません。ですが納税者の大部分は「不幸」と感じられているのではないでしょうか。ですから税理士は変形的な「プロフェッション」ということになります。一方で日本では納税者の権利擁護という点が希薄な気がします。納税意識の高揚はこの部分なしで語れません。今後の検討課題ですね。

その2 会員数

現在弁護士は約17000人でこれは全人口ベースですと国民7000人に対して弁護士1人という状況とのことです。法曹界は今法曹人口を増加するため施策を講じています。司法試験改革や、ロースクール制度もその一環です。ここで大事なのは一人一人の業務の質の低下を避けることであると力説されていました。

税理士も現在税理士法改正案が3月ぐらいに審議される予定で、規制緩和の波にさらされることになります。現在6万人。果たして多いか少ないかですが、日本の法人数約260万社で換算すると1人当たり約43件となります。ただし黒字法人に限定するとその数は3分の1ですから14件。十分に対応できる数ですね。やはり税理士の数は多いことになるのでしょうか。

税理士個々人の能力は別として。

その3 へなちょこ弁護士

今後ビジネス特許等の紛争問題で弁護士、弁理士の業務も、よりいっそう専門分野、得意分野が求められる時代に突入したとおっしゃっていました。
また弁護士で大事なのは心から信用を受け、心から頼れる人材になることであると。そんななか「へなちょこ弁護士」は必要ないと断言されていました。

非常に共感できるお話であるとともに、税理士についてもまったく同じことがいえると感じました。果たして自分自身も含め、顧客からどれほどの信頼をいただいているでしょうか。
業務が一方通行になっていないかとか。反省するところもありました。

納税者の権利擁護という点で税理士は非常に重要な役割を果たします。適正納税はもちろんのことですが、納税者からの依頼内容を常に吟味し、どんなことでも「ダメダメ」ばかり言う「ダメダメ税理士」のなっていないか、とか。


他の税理士さんと「申告是認」について語る機会があります。「うちは昨年○○件申告是認になった。」といって喜んでいる先生もいます。追徴がないというのは納税者にとって本当に結構なことと思いますが、果たしてどうでしょうか。税務判断においてどうしても「グレーゾーン」というものがあります。一概に言えませんが、それを全部「クロ」として調査を待つまでもなく「多く」税金を申告しているケースもあるのでは、と思ってしまいます。納得いくまでとことん突き詰める姿勢も時には重要であると思うのですが・・・

その4 これからの税理像

これからの税理士像はどんなものでしょうか。「弁護士像」とほぼ同じであると思いますが、

1. スピード
2. 誠心誠意
3. 身近な存在

4. 業務と報酬のバランス(ゆえに分かり易い料金体系)
5. 以上を実現できるシステム構築

であると思います。最近他の会計事務所のHPを覗く機会も多いのですが、まだまだ発展途上ですね。(もちろん当HPも含めて)単に見ていただくだけの一方通行情報垂れ流しのHPではなく活用していただけるHPを目指してこれからもがんばっていきたいです。

最後に中坊先生の今後のご活躍を祈念して今回のコラムを終了いたします。




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